ご挨拶

 

この度201941日付で、明海大学歯学部総合臨床医学講座耳鼻咽喉科学分野教授に就任いたしました。

 当科は、19914月以降、常勤医不在にて非常勤医にて診療がなされており、授業も非常勤医にて行われておりました。4月から非常勤医は継続のまま、外来は全日診療体制とし、入院・手術も再開し、5年生への耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の講義を行なっております。

 近年の歯科医学の発展に伴い、その診療範囲も多岐にわたっております。医科との境界も不明瞭となり、ますます境界領域の重要性が増しております。特に口腔と近接した、耳鼻咽喉科・頭頸部領域は非常に重要となります。今後は医療の垣根を超えた、One Teamとして臨床、研究そして教育に当たることがこれからの我々の使命と考えております。

 以下に教室について、概略を説明させていただきます。

耳鼻咽喉科について

 耳鼻咽喉科は頸から頭蓋底までの範囲を診療対象とし、その中には聴覚、平衡覚、味覚、嗅覚、そして一部視覚と重要な感覚器が含まれます。さらに顔面の知覚も含めると、人間の全ての感覚入力を診療の対象とすることになります。言葉を話す、食べる・飲む、バランスを取って歩く・運動するなど、極めて重要な動作の管理、調節を担当します。

臨床について

 耳鼻咽喉科内のみで完結するものではなく、関連各科と協力して有機的に結合した診療を行っています。対象疾患としては、耳科領域として中耳炎、突発性難聴、メニエール病、鼻科領域として副鼻腔炎とくに歯性上顎洞炎、鼻副鼻腔腫瘍、口腔咽喉頭領域では舌癌等の口腔腫瘍、唾石症、睡眠時無呼吸症候群、嚥下障害、頚部領域として頚部腫瘍、耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍等を対象としております。最先端の医療技術である内視鏡下手術によって、侵襲の少ない手術を行っています。唾石はほぼ全例口腔内から行い、鼻腔も内視鏡治療が中心となります。睡眠時無呼吸症候群に対する手術治療も行ないます。

研究について

 臨床医ならではの視点から基礎的ならびに臨床的研究を行い、その結果を患者さんへフィードバックすることを目標に研究を行っております。現在行っている主な研究は、

@鼻腔・中咽頭・喉頭の気流解析:この研究はさらに喉頭領域に発展して研究しており、また、顎変形症患者の術後気道の評価を矯正科、口腔外科と連携し、より安全な治療法をめざしています。A頭頸部癌手術後の機能評価:頭頸部癌手術治療の利点は根治が見込めることでありますが、その反面、侵襲が大きく、整容的、機能的問題があります。この解決のために、口腔、咽頭癌における術後機能評価、機能改善治療を行っております。B歯性上顎洞炎治療:歯科および耳鼻咽喉科でも治療が行われますが治療に難渋する場合が多く、歯科、耳鼻科双方の知識、技術を結集し、当院で新たな治療法の開発を行っております。

教育について

 大学病院の最も大きな責務は教育です。歯科医学生、優れた医療者を教育し世に送り出してくことが、私たちが最も注力すべきことであると考えます。また国家試験の対策として、医科的知識が非常に重要になる場合があります。試験の分析を行い必要な知識の教育を行います。

最後に、教育・研究・臨床という三本柱のなかで、歯科の可能性の向上を追求し、建学の精神である、社会性・創造性・合理性を身につけ、広く国際未来社会で活躍し得る有為な人材の育成をめざします。若い歯科医師、学生に夢を描く手助けをしたいと切に思います。

 

 当科では歯科と医科の新たな連携診療を目指し、耳鼻咽喉科医として教育、臨床、研究に広く貢献して参ります。

診療内容は耳、鼻、のど(咽頭、喉頭)から唾液腺(耳下腺、顎下腺)や甲状腺などの頭頸部領域まで幅広く診療しています。
医療の進歩により、様々な治療手段を提供できる時代になってきましたので、患者さんのニーズに十分配慮した医療を進めてまいりたいと考えております。
 また歯学部耳鼻咽喉科であることから歯科各科、及び内科、眼科とも連携し、最良の医療を目指します。