これまでの研究活動

@歯科インプラントの有限要素法による応力解析: インプラントによる応力は、それが骨の誘導を促進する場合もあれば過度の応力にて骨吸収を起こす場合もある。Transmandibular Implantが下顎の及ぼす応力を有限要素法によって行ったNomura T et al Finite element analysis of a transmandibular implant. J Biomed Mater Res B Appl Biomater. 80:370-6. 2007。骨が薄いほど引張ひずみは高かった(図9)。このことから応力と骨増生の関係を検討した。有限要素法は構造解析に重要でありこれは頭頸部領域においても応用可能である。さらに有限要素法と気流解析を融合した流体構造連成についてはANSYS主催の講習会に参加し、技術の習得を行っている。

 

 

 

 

A生体組織の物性研究:下顎皮質骨Nomura T et al Micromechanics/ Structure Relationships in the Human Mandible Dental Materials 19: 167-173. 2003、海綿骨Nomura T et al A micromechanical elastic property study of trabecular bone in the human mandible J Mater Sci Mater Med. 18:629-33. 2007に関する報告を行い、物性を研究した。

 

BセファロによるOSAS分析:睡眠時無呼吸症について、セファロによる解析Tsutomu Nomura et al Cephalometric analysis of sleep apnea patients, comparing patients with and without hypertrophy of the palatal tonsil  Open Journal of Stomatology  2016, 6, 164-169にて扁桃肥大とOSASの関係を示した。

 

C中咽頭気流解析:UPPP前後のCFD解析(野村 , 西嶌 大宣, 近藤 健二 他 Computational fluid dynamicsにより術後機能評価した睡眠時無呼吸症候群 日本耳鼻咽喉科学会会報 1201073-10782017)を報告した。CFDにより術前CTから気流を解析し、重症度を予測することが可能であった。さらに11例のOSAS患者のCFD分析を現在投稿中である(10)。この研究からAHIと気流速度は相関することを証明した(図11)。

 

 

 

 

 

 

 

D上気道のParticle Image Velocimetry (PIV)解析:

CFDの精度確認のため鼻腔の実体モデルを作成しPIVによる実験を行い、CFDの検証を行なった。PIVの結果が我々のCFD解析と臨床的に適合することを解明した(発表準備中、図12)。

 

 

 

 

 

 

E喉頭疾患に対する研究:埼玉医科大学において、喉頭軟化症の患者の診療を行い、現在も埼玉医科大学と協同研究を行っている。二藤らが、喉頭軟化症の危険因子(喉頭軟弱症の遷延化に対する危険因子の検討 二藤 隆春ら 本気管食道科学会会報 200960: 189)、喉頭軟化症の治療(披裂部型喉頭軟弱症に対する披裂部レーザー焼灼術のアプローチ法について 熊田 純子, 馬場 信太郎, 吉富 愛, 金丸 朝子, 二藤 隆春 小児耳鼻咽喉科 20194076)について報告した。

 

F鼻腔気流解析:近藤は野村とともにCFDの研究に従事し、鼻腔ポリープの位置による気流の比較Nishijima H, Kondo K, Yamamoto T, Nomura T et al Influence of the location of nasal polyps on olfactory airflow and olfaction. Int Forum Allergy Rhinol. 2018 ;8:695-706. 、中鼻甲介形成術Hironobu Nishijima, Kenji Kondo, Tsutomu Nomura et al Ethmoidectomy combined with superior meatus enlargement increases olfactory airflow Laryngoscope Investigative Otolaryngology 2017; 2: 136–146.について報告し、良好な結果を得ている。

 

G喉頭気流解析:二藤、野村にて声帯麻痺に伴う気流の変化について(Computational fluid dynamicsによる声門部気流解析(1)二藤 隆春, 西嶌 大宣, 野村  日本気管食道科学会会報 201869:38)報告し、喉頭疾患のモデル化を行い、現在論文作成中である。

 

HDNA量解析による口腔癌の予後因子検討

野村 務 マウス可移植性扁平上皮癌に対するシスプラチンの腫瘍内および腹腔内投与の比較検討 日本口腔外科学会雑誌 35:375-389 1989 

 

Chen, R.B., Suzuki,K., Nomura, T., Nakajima, T Flow Cytometric Analysis of Squamous Cell Carcinoma of the Oral Cavity in Relation of Lymph Node Metastasis J Oral Maxillofac Surg 51:397-401 1993

 

J.U.Mahamood, T.Nomura, K.Suzuki, R.B.Chen. T.Nakajima Flow cytometric analysis of head and neck carcinomas in relation to lymph node metastasis Oral Oncology 3:459-462 1994

 

Suzuki,K.,  Chen,R.B., Nomura, T., Nakajima, T Flow Cytometric Analysis of Primary and Matastatic  Squamous Cell Carcinoma of the Oral  and Maxillofacial Region J Oral Maxillofac Surg  52: 855-861 1994

 

I顎骨再建後の機能評価

Nomura T, Suzuki I, Kohno M, Shingaki S, Nakajima T Reconstruction of the mandible with bone grafts and metal plates: Analysis of 42 cases Asian J Oral Maxillofac Surg  10: 7-15 1998

 

Nomura,T., Suzuki,I., Kohno,M.,  Shingaki,S., Nakajima,T. Clinical Evaluation of Vascularized Fibula Grafts for Mandibular Reconstruction in 6 Cases Asian J.Oral Maxillofac. Surg. 9: 31-39 1997

 

J口腔癌手術後の機能評価

Tsutomu Nomura, Susumu Shingaki,Tadaharu Kobayashi, Ichiro Suzuki, Chikara Saito

Multi-Factorial Functional Analysis of the Patients with Reconstruction for Oral Carcinoma

Open Journal of Stomatology 05:63-71 2015

 

K下咽頭癌部分切除後の機能評価

Nomura T, Maki D, Kishishita S, Matsumoto F, Yoshimoto S. Oncological

and Functional Evaluation of Open Conservation Surgery for

Hypopharyngeal Cancer with/without Reconstruction.

Int J Otolaryngol. 2018: 26;20

18:2132781. doi: 10.1155/2018/2132781.

eCollection 2018.

 

L喉頭早期癌の予後因子の検討

Nomura T, Ishikawa J, Ohki M, Ohata A, Araki R, Kikuchi S. Multifactorial

analysis of local control and survival in patients with early glottic

cancer. Laryngosco

pe. 2019 Aug 9. doi: 10.1002/lary.28240. [Epub ahead

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M歯性上顎洞炎の新しい治療法の開発

 歯科、耳鼻咽喉科にまたがる疾患であり、診断、治療に難渋する場合は多い。当院では保存科、口腔外科と連携し、診断方法の確立、新しい治療法の開発を目指し研究している。

 

N顎変形症術後のCFDによる機能評価

骨格性の顎変形症患者に対して、上下顎骨に対して、骨切り術を行い、咬合、咀嚼機能、顔貌の審美性の回復を計ることは確立された治療である。

 しかし、治療により咬合は改善されるが、顎骨の移動に伴い、舌骨、そして舌、軟口蓋等の軟組織の位置変化も起こる。下顎の後退が強い場合には、咽頭気道が狭窄される場合もあり、高度の狭窄は睡眠時無呼吸症を起こしうる。例えば術前から扁桃肥大のような気道狭窄傾向のある患者では、手術により無呼吸症状が出現または増悪する可能性がある。現在までに、形態的分析と無呼吸の関係の報告は多少あるが、気流の観点から解析した報告は少ない。我々は、術前後での気流の変化を、computational fluid dynamics (CFD)による分析を行い評価する。これにより、術後の気道状態を推定し、どの程度の手術まで可能であるか、または手術が禁忌となる場合はどのような状態かを確認することにより、手術方法を含めた安全を顎変形症の治療の確立することが研究の目的である。